アボカド栽培方法

育て方

 

 
アボカドについて。
 
・分類  :クスノキ科ワニナシ属。
・樹高  :地植えで10メートル以上になる事も。
      (鉢栽培だと土の量で大きさを抑える事も可能です)
・耐寒性 :約0℃(品種によって-6℃〜0℃程度)
・開花期 :春頃(品種や環境によって12月〜6月)
・収穫期 :主に秋冬(品種によって8月〜翌春)
・収穫年数:2、3年〜
 
アボカドは成長が早い果樹ですが、初期生育に何らかのダメージを受けると、その後の回復が困難になりやすい果樹でもあります。
逆に言えば、初期生育さえ上手く行けば、その後どんどんと成長してくれます。
 
また、アボカドは小さい花をたくさん咲かせますが、受粉率は非常に低く、そして着果しても収穫までにたくさんの生理落果が見られます。
隔年結果も起こりやすく、たくさん収穫出来た翌年はほとんど収穫出来ない事もあります。
なので非常に収穫が難しい果樹ですが、その分、上手く収穫出来たら喜びは何倍にもなります。
 


 

 
接木苗とは。
 
果樹栽培では接木苗が一般的です。
接木とは、植えて成長した木(台木)に、別の木の枝(穂木)を繋ぎ合わせる技術です。
これによって穂木を採った木と同じ品種の果実が収穫できる様になり、また収穫までの年数も短縮出来ます。
 
商品には接合した部分の保護の為、接木テープが巻いてあります。
(しっかり接合された商品では、テープを外してあるものもあります)
しばらくして幹が太ってきたら、テープが幹に食い込む前に外して下さい。
また、台木部分から新芽が出た場合は取り除いて下さい。 
 


 

 
基本管理。
 
アボカドは水がとても大好きです。しかし、根が弱く土の水分過剰が続くと根腐れしやすくなります。根腐れを防ぐ為、水のやり過ぎには注意して下さい。 
また春から秋は、新しく出た葉が強い日差しで焼けやすいので、必要に応じて遮光をして下さい。
冬は霜に当てないよう、なるべく0℃以上で管理して下さい。まだ小さい時は特に寒さに弱いので、冬にダメージを受けない為にも余裕を持った温度管理をして下さい。(当園では最低温度約5℃で栽培しています)
 
*お願い
鉢で育てる場合、室内だと日光が足りなく華奢になってしまいます。
春から秋の寒さの心配がない時期は、出来るだけ室外で日光を当ててあげて下さい。(必要に応じて遮光もお願いします)
冬は寒さ対策として、室内の日当たりの良い場所でも大丈夫です。
 



雌花 
 

雄花

 
アボカドの花
 
アボカドの木には花の咲かせ方が違うAタイプとBタイプがあります。
 
木全体では・・・ 
Aタイプの木「午前=雌花、午後=雄花」
Bタイプの木「午前=雄花、午後=雌花」
 
1つの花では・・・
Aタイプの木「1日目午前=雌花、2日目午後=雄花」
Bタイプの木「1日目午後=雌花、2日目午前=雄花」
(半日+半日で1つの花は咲き終わります)
 
アボカドはたくさん花を咲かせますが、この特殊な花の咲き方によって受粉確率が低くなってしまいます。
受粉方法には虫(ミツバチなど)、風、人工受粉などがあります。
受粉確率をあげるには、AタイプBタイプ両方を栽培する、開花期に雨などで花(花粉)を濡らさないようにして下さい。
またアボカドの花は約1cm程で小さく華奢な為、強い風にも注意して下さい。
開花時期や開花期間は環境にもよりますが、主に春頃に咲き、長ければ半年近く咲き続ける事もあります。
 
*まだ木が小さい時の花は、木の体力が足りずに弱ってしまう場合があるので、様子を見て花を取ってあげて下さい。
 


 
 

鉢替え、植え付け。
 
アボカド苗木は根の張りが良い鉢でお届けします。
鉢内に根がしっかりと張って、鉢を外側から押しても凹まない位に根がつまって来たら植え替えのタイミングです。
そのまま鉢で育てる場合は、一回り大きな鉢に根や土をなるべく崩さない様に植え替えて下さい。(一気に大きすぎる鉢に替えると水管理で失敗しやすくなるので、徐々に鉢を大きくして下さい)
6号鉢(18cm)からの植替えは7号鉢(21cm)か8号鉢(24cm)、7号鉢(21cm)からの植替えは9号鉢(27cm)か10号鉢(30cm)がオススメです。
 
露地植えする場合は、木がある程度しっかりと育ってから、根や土を崩さずに植えて下さい。(霜の当たらない温暖な地域推奨。)
 


 
 

収穫に挑戦する目安。
 
元気に育ったアボカドの木にいよいよ「収穫に挑戦させるかどうか」を判断する材料として、せきね農園では以下の重要な3つに注目しています。
 
・葉の数がたくさんあるか。
・根がしっかり張っているか。
・根元がしっかり太ったか。
 
特に3つ目で判断がしやすく、花の時期までに木の根元の直径3cm前後あるかを目安に、花芽を取らずにそのまま咲かせて収穫に挑戦します。
順調に行けば、その年に数個収穫する事が可能です。
(もし開花中に急激に木が弱りそうであれば、花を取り除きます)
一見、枝が伸びて背が高くなるとしっかり成長してると思いがちですが、
「根元の太さ」=「木の成長」だと判断しています。
 


 
 

こんな時は?
 
【葉が枝の先端だけ】
アボカドは葉が枝の先端だけになる事がよくあります。
特に上方向にだけ伸ばすとなりやすいです。
枝の途中からも葉を出したい時は、枝を斜めか横方向に誘引すると途中からも葉芽が出やすくなります。
また、枝の先端を摘芯するのも効果的です。
 
【葉が大量に落ちる】
アボカドは何かと大量に葉が落ちる事があります。(特に春の花の時期など)
そんな時、焦るあまり水を必要以上にあげがちですが、葉が落ちて根からの水の吸い上げも少なくなるので、土の状態をしっかりと見ながら水をあげて下さい。